発達障害の子供に多い偏食。発達障害の子供がいる親の中には、子供の偏食に悩む方が多いです。
少しでも偏食を改善してあげることは大切ですが、無理に食べさせるのは逆効果になることもあります。発達障害の子供に偏食が多い理由と偏食の改善方法についてご説明していきます。
発達障害の子供は、日常生活や学校で様々な困難に立ち向かっています。食べることへの困難が少し解消されると、お子様の生活にも変化があるかもしれませんね。
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発達障害の子供には偏食が多い
子供の好き嫌いは珍しいことではありません。小さな子供なら、多少の好き嫌いはあるものですね。ただ、発達障害の子供の偏食は、好き嫌いというレベルを超えていることが多いです。
ある特定の数種類の食べ物しか口にしないという子供もいます。中には、子供の偏食が激しいことから、発達障害であることが判明するケースもあります。
偏食が激しい発達障害の子供は、周囲からワガママと思われ辛い思いをすることもありますが、発達障害の子供の偏食には、きちんと理由があります。
発達障害の子供に偏食が多い理由
発達障害の子供は偏食傾向にあり、発達障害の子供のうち約半数の子供が偏食であると言われています。では、なぜ発達障害の子供は偏食になりやすいのでしょうか。
感覚が過敏
発達障害の子供は、知覚・触覚・聴覚などが非常に敏感なことがあります。
健常者の感覚ではなんでもないような、舌ざわり・味・音などが、苦手と感じてしまう子供がいます。
事例として以下のようなことが挙げられます。
- イチゴなどブツブツした舌触りが苦手
- 辛いものを食べると痛いと感じてしまう
- とろみがついたものが苦手
- 食器とスプーンなどが当たる金属音が苦手
- 揚げ物のサクサクした衣が口に刺さるようで苦手
- 納豆やキノコ類などツルツルしたものがプラスチックを食べているように感じてしまう
こだわりが強い
発達障害の子供は、こだわりが非常に強い場合が多いです。
食事に関しても自分で「こうでないとならない」と考えるモノ以外は口にしないことがあります。
具体例を挙げておきます。
- うどんは温かいものと思っているので、冷やしうどんは食べない
- 食パンは白だと思っているので、ジャムを塗ると食べない
- 味噌汁の具はある特定のものと決めているので、それ以外は食べない
- お餅は、丸餅しか食べない
- ご飯は、ふりかけをかけないと食べることができない
- ある特定のメーカーのヨーグルトしか食べない
- ある特定の色の食べ物しか食べない
- 外食する時でも家で使う箸でないと食べない
発達障害の偏食を改善する方法
成長期の子供がいつまでも偏食が続くのは、良いこととは言えません。
子供の成長が遅れたり、肥満になるなど、悪影響を及ぼしてしまいます。
お子さんのためにも、少しずつでも偏食を改善していきたいですね。
発達障害のある子供は、アプローチ法を間違えると、逆効果になることがありますので、お子さんの様子をよく見ながら進めていきましょう。
一人一人にきめ細やかな対応をする
発達障害の子供は、みんなと同じ食事を出しているだけでは、なかなか食べてくれるようにならない場合が多いです。
「この子は、どういう理由で食べないのかな?」ということを考えてあげながら、子供が食べたくなるような工夫をしてあげることが必要になります。
他の兄弟と調理法が別になってしまうなど、手間がかかるかと思いますが、ひと手間かけることでお子さんの食べられるものが一つ増えるかもしれませんので、少し頑張ってみてください。
- 固いものが苦手な子供には、柔らかく煮こんだものやすり潰し状のして食べさせる
- 柔らかいものが苦手な子供には、野菜を素揚げにするなど歯ごたえのあるものを食べさせる
- 一つのお皿に色々な料理が盛られているのが苦手な子供には、料理別にお皿を変える
- 丸いものが苦手は子供には、ハンバーグを棒状に加工するなど食べやすい形にする
学校と連携する
家では食べないものでも、学校の給食では完食することができるという子供もいます。
逆に、学校の給食は同じメニューでも家とは調理法が違うので、家で食べられるものでも給食では食べられなかったという場合もあります。学校と親が子供の食事について共通の認識を持っておくことが大切でしょう。
給食の真似をした献立にしてみる
給食ではよく食べる子供の場合には、調理法や盛り付けなどを先生に聞いて、同じように家でも作ってみると食べてくれるかもしれませんよ。
先生に無理に食べさせないようにお願いする
給食に対する指導方針は、学校や先生によって様々です。苦手なものは初めから減らすように指導する先生もいれば、全部食べるように指導する先生もいます。
発達障害の子供は無理に食べさせることで、食べること自体が嫌になってしまうこともありますので、無理に食べさせることはしないようにお願いしておきましょう。
少しでも新しいものを食べたら褒めてあげよう!
発達障害の子供が、苦手な食べ物や始めての食べ物を食べることは、大きな進歩です。お米一粒ほどのごく少量でもよいので、お子さんが少しでも食べる意欲を見せたら、食べさせてみましょう。初めから欲張りすぎて、スプーン1杯の量を望む必要はありません。
子供が苦手なものを食べることが出来た時には、ごく少量で良いので褒めてあげましょう。「食べて褒められた」という成功体験が、今度も色々な食べ物に挑戦しようという意欲につながります。
発達障害の子供に無理矢理食べさせるのはNG!
発達障害の子供は、無理矢理何かをさせられることや予定にないことをすることなどが、とても苦手な場合があります。子供が苦手な食べ物を無理矢理口に入れて食べさせたり、嘘をついて食べさせたりすることは、逆効果です。
子供によっては、小さい頃に無理矢理食べさせられたことがトラウマになって、その食べ物を見ただけでパニックになってしまうこともあります。子供の偏食を心配するあまり無理矢理食べさせたくなることもあるかもしれませんが、決して無理強いはしないように気をつけてくださいね。
発達障害の子供は食べ過ぎにも注意
発達障害の子供は、「適量」というものが分からない場合があります。好きなものだと、あるだけ全部食べてしまったりすることも珍しくありません。お腹がいっぱいになっていても、お皿に残っていると全部たべないと気が済まないということもあります。
いつまでも食べ続ける傾向にある子供は、肥満になる可能性があります。子供がいつまでも食べているようであれば、他のことに注意を引くようにして、途中でやめさせるなどしてあげるようにしましょう。
まとめ
一昔前までは「子供の偏食は親の責任」などということを言われていましたが、発達障害の子供の偏食にはきちんと理由があります。
食事は毎日のことなので大変でしょうが、子供の気持ちに寄り添い、お子さんが少しでも食べられるものが増えるようにサポートしていきましょう。
食べられるものが増えることで、学校の給食の時間の苦痛が減り、学校生活がより楽しいものになるかもしれませんよ。ただ、焦りは禁物です。一歩ずつ前進していきましょう。
親も発達障害の栄養療法について学ぶことも大切かもせれませんね。